2016年10月24日月曜日

初雪

 とうとう初雪が降った。空からチラチラと静かに舞う優しい雰囲気じゃなくて、強い風に煽られるようにアラレと霙(みぞれ)が降り、その合間に一瞬「あ・・・雪だ」って感じ。そんな荒れた初雪だと、この冬はどんな冬になるのだろう。
 先日まで、結構暖かい日があったので、今年は雪虫予報が当たらないかもしれないと思っていた。けれど、雪虫が飛び始めて2~3週間で、やはり初雪となった。

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 今年は、この季節すでに見られるはずのシモフリシメジやムラサキシメジ、ムキタケなどの発生が今一つ(私がフィールドとしている地域)。
 遅れているのか、今年は発生しないのか、そんなことを思いながら3日前のこと防風林を歩いた。防風林ではヌメリスギタケが若干出ている程度だった。そんな中、多分Lepstaだろうと手にしたきのこがあった。
  撮影は翌日になり、多少乾燥してしまった。

 このきのこ、もしかしたらLepista ricekiiではないか?と思ったのだ。
でも、このきのこはL. ricekiiと胞子サイズが概ね合っているものの〔(3.6)4.1-5.1(5.8)×(2.6)2.9-3.5(4.1)μm〕臭い味とも温和、それに胞子にイボイボがなく平滑。Lepistaではないのかと何度もカバーグラスに胞子を採り検鏡してみた。
イボ状あるいは粗面でもないとなると、Clitocybeなのかな?
種にたどり着けないのもガッカリだけど、あるだろうと思っていたイボ状がないことにもガッカリ・・・。 

KOH

フロキシンB

コットンブルー



さて、どうしたものか・・・

 私は超くじ運が悪い。8月に、お気に入りの写真を送って応募する某キャンペーンがあった。景品を見るとオットマンの座り心地の良さそうな椅子が目に入った。その他の景品もあったが、オットマンの椅子目当てに、そういえば腕時計が無いし見やすそうな腕時計も一つ・・・。オットマンの椅子は2名だし腕時計も3名、当たるはずもないと思いつつ何点かの写真を送り、応募してみた。
 それが、締め切りもかなり過ぎたある日「当選しました」のメールが届いた。当たったのはオットマンの椅子ではなく、「アップルスマートウォッチ」。景品の画像を見て腕時計と思っていたのは「スマートウォッチ」だったのだ。この時「スマートウォッチって、何だ?」と、その存在を初めて知った。どうやら、スマートフォンと連動して使うものらしい。
 自慢じゃないけれど、私はガラケー。しかもメールやインターネットはPCのみなので、携帯は通話と歩数計、それと時計代わりに使用するのみ(つい最近、たまにショートメールなるものも使うようになった)。スマートウォッチは腕時計としても使えるだろうけど、どうやら私には無用の長物のような気がする。で、帰省していた娘に話し貰ってもらおうとしたら「要らない」と無下に断られてしまった。
 その「アップルスマートウォッチ」が数日前に届いた。さて、どうしたものかとまだ未開封のままになっている。

2016年10月10日月曜日

Entoloma speculum ?

 雨降りだったので出かけるつもりははかったが、雨が上がり、近場のアカエゾマツ林に行ってみることにした。しかし、車を走らせていくうちに雲行きは怪しく次第に暗くなり、目的地に着いた時には雨が本降りとなった。折角来たのだし、カッパを着て傘を差しながら歩いた。
 これは持って帰ってから撮るなんて出来ないよな・・・と、カメラを取りに戻りチシオタケの写真を撮った(現場での写真はこれだけ)。
他にも、ヤギタケ・アカモミタケ・キハツダケ(群生状態)・ヌメリアカチチタケ・クロノボリリュウ・シロノボリリュウ・アイシメジやミヤマタマゴタケ・アカゲシメジ・サクラタケなど、それと種名のわからないイッポンシメジ属やベニタケの仲間なども出ていた。

 下は採取したきのこのひとつ 

このきのこは、シスチジアがなく縁部や縁部に近い側にmarginal cellがある。

胞子は (8.1)8.8-10.0(11.0)×(6.6)7.3-8.6(9.7)μm
Q:1.01-1.42 Ave.1.19 n=100

たぶんEntoloma speculumではないかと思う。
http://www.scmycoflora.org/genera/entoloma/entoloma-species.php 

下はかなり開きにくいのだけど、WEB上でも見られるということでURLをメモ。
http://repository.naturalis.nl/document/570070

2016年10月8日土曜日

雪虫

 きょうは札幌キノコの会の観察会にお邪魔した。
観察会が終わってから、明日日曜日、きのこ展を開催する支部があり
展示のためのホンシメジを採集するそうで、Sさんから「写真を撮るかい?」と声を掛けていただき
同行させていただいた。
 案内されたところは、どこをどんなふうに車で山道を走ったのか、一人では絶対来ないというような場所。着いてから皆で山肌をホンシメジ探し。やがて、Sさんの仲間が、株になり更に菌輪を描いているホンシメジを見つけられた。これまで自分が見つけたことのあるホンシメジとは雲泥の差。山肌を歩いた疲れなど吹っ飛んだ
 

 昨日、羊蹄山麓に出かけた。中山峠は夜半に少し雪が降り、その雪が薄っすら笹の葉の上に残っていた。そろそろ里に雪虫が飛んでいるかもしれないと思った。羊蹄山麓ではその姿を見かけず、今月に入り急激に寒くなったけれど、初雪はもしかしたら11月になるかもしれないと思った。
 しかし、今日札幌で雪虫が飛んでいるのを見かけた。たぶん2~3週間で初雪が降るだろう・・・。
雪虫を見ると、いよいよ、きのこシーズンも終わりに近づいた、そんなことをふつふつ思わせられる。

 そうそう、きのう初めて見るきのこがあった。アカエゾマツの腐朽切株にきのこが束生し、遠目にクリタケモドキだろうかと思った。 しかし、そばに来て見ると、どうも雰囲気がちがう。手に取ってみるとヒダが薄い紫灰色になっていない。ツバは蜘蛛の巣皮膜のような薄い膜がある。○○ツムタケの仲間であろうか?と齧ってみたが、味はいたって温和。種名にたどり着くかどうかわからないけれど、採集することにした。
 他にも気になるきのこがあり、とりあえず乾燥標本にして、追々観察していこうと思う。


2016年9月29日木曜日

ヌメリササタケ

 きょうは、科博のきのこ展にきのこを送るためきのこ採取に出かけた。そこできのこ探索に来ていたご夫婦とお話をした。以前、札幌に住んでいて今は静岡県に戻られ、年に一度北海道にやってきて、きのこを楽しんでいるとのこと。娘さんが札幌キノコの会に入っているらしい。きっと「きのこ一家なんだろうな」と、話を聞きながらきのこに詳しい様子も伺えた。

 そのご夫婦と話をする前に、何だろうと採取していたきのこを見ていただいた。

「ヌメリササタケではないだろうか」とご主人。奥様が「ヌメリササタケってこんなに柄が太い?」。
お二人に見せた幼菌は 採取した中でも結構柄が太かった。それと、私も、これまで見たことのあるヌメリササタケは、針葉樹林に発生し、傘色がもっと濃く、もう少しスレンダーだったような気がする。傘色が薄く傘縁が藤色になっているのは見たことがない。さて、ヌメリササタケであろうか?

 家に帰って来てから、きのこを送付した後、残った何本かの幼菌を試食してみることにした。
洗いながら、かなり粘性が強く、思わず「ぬるりんぼう」という言葉が連想され
たしか、ヌメリササタケってそんな別名があったよなと思いながら・・・
それにしても粘性が強いせいか、ゴミの取れないこと取れないこと
爪でこすりながら流水で何とか取り除いたけれど
粘性の強いきのこのゴミの取り方は、皆さんどうやっているのだろう。
湯がいて冷ましてからポン酢で食してみた。柄は歯ごたえのある感じで
なかなか美味しいではないか!

ヌメリササタケをネット検索してみると
広葉樹林にも出ることが書かれている。それと【ヌメリササタケは広葉樹林に発生するものと針葉樹林に発生するものとでかなり違いがあると言われています。】
なるほど・・・。
どうやら、あのご主人が言われたように、ヌメリササタケ だったようだ。


2016年9月28日水曜日

Agrocybe firma

このきのこ、最初ナヨタケ属のきのこだろうと思っていた。

でも、検鏡してみると胞子サイズを測るまでもなく、おそらくAgrocybe firma。
Agrocybe firmaに和名はあるのだろうか、と日本きのこ目録を見てみると「ツバナシヤナギマツタケ」という和名があるようだ。どこでその和名がついたのか見てみると、日本菌学会関東支部と書かれている。たぶん、正式に報告されたのではなく、支部発行物で誰かがツバナシヤナギマツタケと仮称を付けたのではないだろうか・・・。で、Agrocybe firmaはヤナギマツタケに似ているのだろうか?
 実際にヤナギマツタケを見たことがないので、何とも言えないけれど・・・。かなり腐朽した倒木あるいは埋もれた材からの発生で、これがツバナシヤナギマツタケ?と、ちょっとピンと来ない。

-----------追記-------------
K徳さんからメールをいただいた。
ツバナシヤナギマツタケは青木氏仮称であること
また Agrocybe firmaには、長沢先生がミヤマオキナタケと仮称を付けられていること
など教えていただいた。

K徳さん、ありがとうございました!

Melanoleuca

 数年前、オオザラミノシメジが乾燥気味で白っぽくなったのかな?と、手にしたきのこがあった。その後、オオザラミノシメジではないような気がして、再度見かけたら調べてみたいと思っていたそのきのこに、昨日出会うことが出来た。
傘径は大きいもので15~6㎝に達し、乾燥で白っぽいのではなく、やはりこのような色合いなのだと再確認した。
 家に帰って来てから、ブツ撮りしてみると、林内で見たときの色合いと違う。



 日本きのこ目録 で「ザラミノシメジ」と検索してみると、見慣れない種名が出てきた。オオシロザラミノシメジMelanoleuca candida (Velen.) Singer。その学名をGoogle検索してみると殆どヒットせず、
http://smd38.fr/documents/fiches_techniques/toutes_especes/Melanoleuca%20evenosa.pdf
↑には、M. candidaがM. evenosaのシノニムとなっているが
MycoBankやIndex Fungorumを見てみても、シノニムとはなっていない。
いずれにせよ M. evenosaではなさそうだ。

 さらにWeb検索していて、どうも M. subbrevipesという種に似ているぞ、と・・・
ところが、Index FungorumではM. subbrevipesはオオザラミノシメジM. grammopodia のシノニムとなっている。
 やはりオオザラミノシメジなのかなぁ・・・?

 下は胞子と傘表皮の写真。

胞子表面のイボはアミロイド、胞子盤がある。


 シスチジアは、Melanoleucaというと、便腹状紡錘形に結晶のある・・・なんてイメージしていたが
見つけることが出来なかった。
下は消しゴム式で組織をばらしてみた。


 シスチジアは自分が見つけ出せないだけかもしれないが、少なくとも便腹状紡錘形のシスチジアはない。