2016年9月29日木曜日

ヌメリササタケ

 きょうは、科博のきのこ展にきのこを送るためきのこ採取に出かけた。そこできのこ探索に来ていたご夫婦とお話をした。以前、札幌に住んでいて今は静岡県に戻られ、年に一度北海道にやってきて、きのこを楽しんでいるとのこと。娘さんが札幌キノコの会に入っているらしい。きっと「きのこ一家なんだろうな」と、話を聞きながらきのこに詳しい様子も伺えた。

 そのご夫婦と話をする前に、何だろうと採取していたきのこを見ていただいた。

「ヌメリササタケではないだろうか」とご主人。奥様が「ヌメリササタケってこんなに柄が太い?」。
お二人に見せた幼菌は 採取した中でも結構柄が太かった。それと、私も、これまで見たことのあるヌメリササタケは、針葉樹林に発生し、傘色がもっと濃く、もう少しスレンダーだったような気がする。傘色が薄く傘縁が藤色になっているのは見たことがない。さて、ヌメリササタケであろうか?

 家に帰って来てから、きのこを送付した後、残った何本かの幼菌を試食してみることにした。
洗いながら、かなり粘性が強く、思わず「ぬるりんぼう」という言葉が連想され
たしか、ヌメリササタケってそんな別名があったよなと思いながら・・・
それにしても粘性が強いせいか、ゴミの取れないこと取れないこと
爪でこすりながら流水で何とか取り除いたけれど
粘性の強いきのこのゴミの取り方は、皆さんどうやっているのだろう。
湯がいて冷ましてからポン酢で食してみた。柄は歯ごたえのある感じで
なかなか美味しいではないか!

ヌメリササタケをネット検索してみると
広葉樹林にも出ることが書かれている。それと【ヌメリササタケは広葉樹林に発生するものと針葉樹林に発生するものとでかなり違いがあると言われています。】
なるほど・・・。
どうやら、あのご主人が言われたように、ヌメリササタケ だったようだ。


2016年9月28日水曜日

Agrocybe firma

このきのこ、最初ナヨタケ属のきのこだろうと思っていた。

でも、検鏡してみると胞子サイズを測るまでもなく、おそらくAgrocybe firma。
Agrocybe firmaに和名はあるのだろうか、と日本きのこ目録を見てみると「ツバナシヤナギマツタケ」という和名があるようだ。どこでその和名がついたのか見てみると、日本菌学会関東支部と書かれている。たぶん、正式に報告されたのではなく、支部発行物で誰かがツバナシヤナギマツタケと仮称を付けたのではないだろうか・・・。で、Agrocybe firmaはヤナギマツタケに似ているのだろうか?
 実際にヤナギマツタケを見たことがないので、何とも言えないけれど・・・。かなり腐朽した倒木あるいは埋もれた材からの発生で、これがツバナシヤナギマツタケ?と、ちょっとピンと来ない。

-----------追記-------------
K徳さんからメールをいただいた。
ツバナシヤナギマツタケは青木氏仮称であること
また Agrocybe firmaには、長沢先生がミヤマオキナタケと仮称を付けられていること
など教えていただいた。

K徳さん、ありがとうございました!

Melanoleuca

 数年前、オオザラミノシメジが乾燥気味で白っぽくなったのかな?と、手にしたきのこがあった。その後、オオザラミノシメジではないような気がして、再度見かけたら調べてみたいと思っていたそのきのこに、昨日出会うことが出来た。
傘径は大きいもので15~6㎝に達し、乾燥で白っぽいのではなく、やはりこのような色合いなのだと再確認した。
 家に帰って来てから、ブツ撮りしてみると、林内で見たときの色合いと違う。



 日本きのこ目録 で「ザラミノシメジ」と検索してみると、見慣れない種名が出てきた。オオシロザラミノシメジMelanoleuca candida (Velen.) Singer。その学名をGoogle検索してみると殆どヒットせず、
http://smd38.fr/documents/fiches_techniques/toutes_especes/Melanoleuca%20evenosa.pdf
↑には、M. candidaがM. evenosaのシノニムとなっているが
MycoBankやIndex Fungorumを見てみても、シノニムとはなっていない。
いずれにせよ M. evenosaではなさそうだ。

 さらにWeb検索していて、どうも M. subbrevipesという種に似ているぞ、と・・・
ところが、Index FungorumではM. subbrevipesはオオザラミノシメジM. grammopodia のシノニムとなっている。
 やはりオオザラミノシメジなのかなぁ・・・?

 下は胞子と傘表皮の写真。

胞子表面のイボはアミロイド、胞子盤がある。


 シスチジアは、Melanoleucaというと、便腹状紡錘形に結晶のある・・・なんてイメージしていたが
見つけることが出来なかった。
下は消しゴム式で組織をばらしてみた。


 シスチジアは自分が見つけ出せないだけかもしれないが、少なくとも便腹状紡錘形のシスチジアはない。


2016年9月14日水曜日

久しぶりの投稿

昨日、今日ときのこ採集に出かけていた。

昨日初めてイヌムラサキシメジに出会った。
この紫色、のちに退色するらしい。胞子の形態に違いがあるものの、成菌の外観は図鑑なんかを見ると他のカヤタケなどのきのこと区別が難しいみたい。

下のきのこは、タカネイタチタケ。

もう少し湿気があれば、傘は淡いワイン色を 呈している。ピンクっぽいヒダを見たとき、一瞬
Entoloma?と首を傾げたが、Entoloma のピンク色とは違っていて、こちらは桃灰色という感じ。家に帰って来てヒダを少し切り取って顕微鏡でシスチジアを見た。やはり、タカネイタチタケだった。

下は以前F氏から送られたタカネイタチタケを検鏡した時の線画



  今日はフウセンタケを採集したが、名前がありそうなのに見つけられない。



それと下のフウセンタケは10日前に行った時の幼菌を撮ったもの
で、今日同じ種を撮った。
幼菌と成菌では、全然違う。きっと、図鑑の1枚の画像のみで絵合わせしようなんて
フウセンタケ属の場合、無理があるんだろうな・・・と思う。

下の画像は、よく見かけているキノコ
これも名前があるんだろうと思っていたが、日本ではまだ未報告のようだ。
Lactarius lacunarum
乳液は白色から黄色に変わる

やっちゃいけないかな・・・と思いつつ、Boletus spだとどのBoletusを言っているのかわからない。個人的に「ウツロイヤマドリタケ」なんて名前を付けて、他のヤマドリタケと区別することにした。